阪神淡路大震災より10年を迎えようとしている。私が住んでいる神戸・長田区の近所を歩くと、表通りから見る限り、何処が震災・大火災にあったのか殆どわからない。それは見事な復興の姿であった。しかし一歩中に入ってみると、大きな空地がそのままに。住宅も家は建ってもポツポツと隣が空地で、まるで歯抜けのように見える。大きなキズはまだ一部で残されたままになっている。 震災復興の都市計画は進み、超高層ビルも建ち、町は以前よりも美しく整備された。近代的な設備が備えられた大規模復興住宅は、灘区、中央区、長田区、垂水区等々で建てられ、多くの人の命を救った。私の父も長田区の自宅が半壊で住めなくなり、今は郊外にある復興住宅に住んでいる。たまに長田区に帰ってくれば「ここが一番や」と元の古巣を懐かしむ。 |