見事な満月と久しぶりに語り合った。須磨離宮公園での水と光のページェントは、爽やかな秋にふさわしい美しい夜に披露された時のこと。独りベンチに座り、東の空から大きな月の形は満天に昇るにしたがって少しずつ小さくなって見えた。私たちが見る見ないにかかわらず、月は自らの軌道とリズムに合わせ、正確に運行している。私が忙しいのと心の余裕がないゆえに、月をゆっくり眺める機会はなかった。おそらく子供のとき以来ではないかと思う。
大昔より人類は月を見ながら、様々な果てしないロマンが生まれていったに違いない。しかし人類はあの月まで行ける、偉大なる科学の発展を成し遂げた。距離にして約38万km。地球一周の距離は約4万kmだから、9.5周すれば月に到達できる計算になる。この広い宇宙から見れば、私個人の生命が何と小さな存在であるかが分かる。しかし私には果てしなく大きな夢を持っている。それはこの宇宙に匹敵するほど大きなものである。月との語らいは30分ほどで終わった。もっと語りたかったが少し冷えてきたので止めた。有意義なひと時であったと同時に、たまにはいいものだと思った。 |