◆ 人間の欲望満たす「大阪ドーム」
 子供の頃は陽が沈みかけて暗くなると、外で遊ぶのを止めて家に帰ったものだった。日の出から日没までの明るい時間でしか出来ない遊び・スポーツは沢山ある。野球もその一つで、暗くなるとボールが見えにくくなるため、危険を伴うこともあって止めてしまう。しかし人間の欲望はどこまでも広がっていった。夢を実現するためにあらゆる可能性に全力を尽くし、技術の発展をもたらした。その結果は夜でも野球が出来る、昼間の明るさと変わらない強力なライトの開発に成功したのである。そのお蔭でプロ野球ナイター中継は飛躍的にファンの拡大に成功している。今ではサッカー、テニス、陸上競技等、幅広いスポーツに効果を上げている。
 雨の多い日本。天候によって左右される諸行事はスポーツでも同じ。この次は野球場に雨が降っても試合が出来るように、天井を造ることに欲望は発展していった。東京ドーム、西武球場、名古屋ドーム、大阪ドーム、福岡ドーム、札幌ドーム等で天候に関係なく試合は開催された。しかも空調設備が完備しており、快適にゲームを観戦することも出来るようになった。大阪ドームには野球の観戦は勿論、様々なイベントが開催されて何度も足を運んだ。中に入れば昼間でも照明効果が発揮され、イベントの素晴らしさを盛り上げてくれる。

 野球においては暑さ寒さ知らずで楽しむことができ、私のように暑がりには本当に有難い。これも人間の贅沢?からくる欲望が、科学の発展と技術の向上をもたらした結果なのであろう。しかしこれ以上の発展はもうないのではないかと思われるが、20年、50年後はどうなっているのであろうか?楽しみだ。

撮影2004年 夏