千葉県と聞いただけで、東京のベッドタウンというイメージが湧いてくる。鉄道、道路網のほとんどが東京に向かって走っている。東京からJRに乗って千葉方面に行く途中、車窓から見える景色の大半は民家・集合住宅である。昼間は東京都民、夜は千葉県民というと言い過ぎになるのかも知れない。しかし近年ではディズニーランドをはじめ幕張メッセ、千葉マリーンスタジアム、成田空港等、千葉の独自性と特色が生かされ始めている。 千葉県を地理的に見ると三方を海に囲まれている。冬温かく夏涼しい海洋性温暖気候は、年平均気温が15.5度と、暮らすには最高の気象条件を備えている。その結果が人口の移り変わりに出てきている。大正9年133万人。昭和22年211万人。この辺りが本来の千葉県の住民の基礎のように思えるが、それ以降は東京のベッドタウン化が急速に進む。昭和43年300万人。昭和49年400万人。昭和58年には500万人。平成14年600万人を超えてしまった。全国でも6番目に人口の多い県となり、平均年齢が40.3歳とこれも6番目に若い県となっている。私の友人・知人も東京に転勤したものの、住んでいる住所の殆どが千葉県であったのには驚きだった。 JR千葉駅に降りてまずビックリしたのが、ぶら下がって走る「懸垂型」モノレールであった。営業距離は世界最長(15.2km)でギネスレコードとして正式に登録されている。モノレールには「懸垂型」と「跨座型」の二種類がある。1964(昭和39)年9月東京オリンピックの輸送に大きな役割を果たしたJR浜松駅〜羽田空港は跨座型である。今も現役で重要な交通手段となっている。モノレールは地下鉄に比べてはるかに低廉で工事期間も短く、バスよりは定時性と大きな輸送力を持っている。事故や排気ガス、騒音公害も少なく、交通渋滞もない。快適な郊外での生活に大事なのは交通手段であり、千葉市内のモノレールは、東京の通勤圏への大切な足となっている。今後モノレールが都市部での主流の乗物として、大いに発展してもらいたいものと期待をする。 撮影2004年 夏
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