夏休みに家族揃って旅行をすることを実行している。一泊か二泊くらいなのであまり遠には行けない。したがって兵庫県内が比較的多い。兵庫県は昔の五つの国(摂津・播磨・淡路島・丹波・但馬)が集まって出来た県。北は日本海から南は瀬戸内海・太平洋の海に面し、「日本の縮図・兵庫県」とまで言われ、多種多様の地域性の顔を持つ恵まれた県である。
「グリーンエコー笠形」へ家族で行ったのは15年も前の夏休み。一軒のロッジを借りて中に入るとみんなが声をあげて喜んだ。天井が高く広々とした部屋は、全てが木で造られており、その香りと爽やかさが気持良かった。中学生を筆頭に娘四人が大はしゃぎ。これまで小さな家で生活している家族にとって、たとえ二泊三日の短い期間の旅行でも、環境の変化はみんなを満足させてくれた。プールにテニス、子供達は景色よりも、とにかく体を動かすことが好きだ。妻は森の美しさと河の流れを目の前に、水彩画の筆を盛んに動かしていた。 ここから車で5分のところにお線香の大手メーカー「誠寿堂」があった。ここの桐月会長とは永年の親友である。話好きでお酒が大好きな人間。優しさの中にも仕事への情熱をしっかり持った素晴らしい人である。これまで二人は仕事を、そして人生を何時間も何日もかけて語り合ってきた仲である。立場は違えども誕生日が一ヶ月も違わない同じ歳。会社の応接間で話疲れると、場所を変えて語り合ったところがグリーンエコー笠形であたった。 笠形とは「笠形山」のこと。この地域の人は通称「播磨富士」と呼んでいる。名前の如く富士山のような形をしており、その昔この山を京都のほうから見れば、武家の笠の形に見えたのが由来だとか。私は富士山が好きだ。富士山は全国20都府県から見え、その北限は福島県、南限は和歌山県。郷土の山を富士に見立てて名前が着けられている。例えば蝦夷、津軽、近江、讃岐、・・・・・・薩摩富士等々。これら全ての山は大自然に守られ、山の美しさは見る人の目を楽しませてくれる。 撮影2004年 夏
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