◆日本一の超高層ビル

 テレビの取材で何度も紹介されていた。1993(平成5)年7月16日に日本一高いビルが横浜にオープンした。これは「みなとみらい21」が目指す、未来都市のシンボルともいえる建物「ランドマークタワー」のことである。その容姿は堂々としていて、まるで要塞のようにも見え逞しい男らしさが感じられる。

高さ296m、地上70階建。ホテル、オフィス、ショッピングモール、ドッグヤードガーデンなど多彩な施設を複合している。特に日本一高い展望フロアー「スカイガーデン」は69階に位置し、分速750mの世界最速エレベーターは約40秒で到着してしまう。高さは273mから前方80kmにわたる眺めが視界360度で楽しめる。横浜は勿論のこと、東京方面までも良く見える。特に横浜港を始め、美しい海が見えるのには感動であった。

 ある人が言った「初めて行った町には、まず一番高い所から眺めると良い」本当にそうだと思う。街の中をこそこそ歩いても迷ってしまうものだ。一度町全体を見渡してしまうと迷うことはない。それが証拠に私は地図なしで、赤いレンガ倉庫、山下公園、中華街、横浜球場等、歩いて周った。
 狭い日本。限られた面積の中で生きていくには、山を切り開き、海を埋め立て、地下を堀り、高層ビルを建てるしかない。アメリカのような高層ビルは地震大国の日本にとってあまりにも危険であった。しかし技術はそれを上回った。1967年東京・霞ヶ関にこれまでの概念と不安を打ち破り、高さ147m、36階建の信じられないような高層ビルが完成。この「霞ヶ関ビル」は戦後日本の復興の象徴でもあった。

 この自信はやがて東京・新宿西口、新橋汐留のビル街を初め、池袋サンシャイン60、六本木ヒルズ等々。全国各主要都市でも超高層ビルは次々に建設された。人間の限りない知恵と技術向上は留まることを知らない。これからも我々が想像しきれない素晴らしい夢が現実に叶っていくに違いない。これからも楽しみにしている。

撮影2004年 春