中華料理で何が好きかと聞かれれば、北京料理・広東料理・上海料理・台湾料理と沢山あるけれど、私は迷わず四川料理と答えます。これらの全てが集まった町が「横浜中華街」である。料理の種類はそれぞれに特徴があり、中国の土地柄・風土が反映している。北京料理は歴代王朝の都であったため、宮廷料理が基本で非常に豪華・贅沢といった感じである。北京ダックをはじめ鶏肉と春雨をレタスに包み、更には小エビのナッツ炒め等々。広東料理は「食は広州にあり」と言われるように、広州は中国の食の都だ。焼きブタ、渡り蟹のチリソースが好きだ。上海料理は温暖な気候に恵まれ、豊富な食材は料理も多種類に。上海蟹は絶品で、魚の丸揚げ甘酢あんかけ。台湾料理は中国の福建がルーツで、海に囲まれているため海鮮料理が多い。また牛、豚、鶏の内臓料理も特徴。 香港を舞台に、素晴しいラブロマンスの映画「慕情」を何度も見た。主演のアメリカ人新聞記者ウィリアム・ホールデンと女医ジェニファー・ジョーンズが小舟に乗って行った先が「アバディーン(水上レストラン)」であった。そこは竜宮城のような中華風の真っ赤に染められた建物。夜になればイルミネーションの光で一期は華やかに飾られる。勿論場所からして海鮮料理である。今でも忘れられないシーンとして私の目に残っている。 私は「四川料理」が一番好きだ。辛さに特徴があると共に香りもよく、マーボー豆腐、海老チリソース、タンタン麺等、そこに豆板醤を入れて、更に辛くして食べるようになってしまったほどの通なのだ。
日本と中国との交流の歴史は大変に古くから続いているが、途中鎖国政策により一部を除いてまったく交流が途絶えてしまった。しかし1859年の横浜開港は多くの外国のからの人を受け入れた。特に中国からの人は多く4年後には今の中華街の輪郭が築かれた。今その中華街を歩いてみると、まわりには中国語で話す人で一杯だ。見る人、歩いている人、全てが私には中国人に思えてくるから不思議だ。そう!ここは中国なんだ。 撮影2004年 春
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