首都・東京に次いで日本第二の大都市それが大阪だ。その大阪で今だに村が一つだけ残っていると聞いて驚きだ。「千早赤阪村」がそれだ。ここは大阪府下最高峰を誇る「金剛山」を有する自然に恵まれた金剛生駒紀泉国定公園と、太平記に登場する武将「楠木正成」ゆかりの史跡が点在する歴史ロマンの残る村である。楠木正成(大楠公)と聞けば神戸・湊川の合戦でご縁のあるお方である。 1336(延元元年)後醍醐天皇の朝廷軍にある大楠公は、足利尊氏と戦う命を受け決死の覚悟で兵庫へ出陣。途中、桜井の駅で息子・正行に後事を託して国に帰るよう諭す。有名なシーンである。手兵700で足利尊氏の弟(直義)の大軍と16度にわたる激しい合戦の末、善戦虚しく敗れ「七世報国」を誓って殉節。敗れた側の大楠公の忠義が讃えられ、今日に至るまで語り継がれている。
「大楠公の唄」 作詞:落合直文 作曲:奥山朝恭
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青葉茂れる 桜井の 里のわたりの 夕まぐれ 木の下蔭に 駒とめて 世の行く末を つくづくと 忍ぶ鎧の 袖の上に
散るは涙か はた露か | 2
正成涙を 打ち払い 我子正行 呼び寄せて 父は兵庫に 赴かん 彼方の浦にて 討死せん 汝はここまで 来たれども とくとく帰れ 故郷へ |
3 父上いかに のたもうも 見捨てまつりて 我一人 いかで帰らん 帰られん この正行は 年こそは
いまだ若けれ もろともに 御供仕えん 死出の旅 |
4 汝をここより 帰さんは わが私の 為ならず 己れ討死 なさんには 世は尊氏の ままならん
早く生いたち 大君に 仕えまつれよ 国のため | 5
この一刀は 往し年 君の賜いし 物なるぞ この世の別れの 形見にと 汝にこれを 贈りてん 行けよ正行 故郷へ 老いたる母の 待ちまさん |
6 ともに見送り 見返りて 別れを惜しむ 折からに またも降り来る 五月雨 空に聞こゆる 時鳥
誰れか哀れを 聞かざらん われ血に泣く その声を |
私の大好きな歌である。新緑薫る千早赤阪村には700年前と同じ爽やかな風が吹いていた。 私は車で幸せな家族と共に兵庫に帰ります。 撮影2004年 春
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