「牛乳が大好きな子供でした」と。母は思い出すように一緒に食事をしている人達に、私の幼少の頃を楽しげに語り始めた。「大人になっても絶対にお酒は飲まない。こんなに美味しい牛乳があるのに、と言っていたことが忘れられない」とも。私は20歳を少し過ぎた頃に、友人の家で初めてビールを飲んだ。美味しくなかった。お金も無かったこともあり、あんな苦しくて高いビールを飲むなら、「うどん」でも「ラーメン」でも食べている方が私にとっては良かった。しかし社会人になってしばらくすると、夜の食事の時にはビールを注文するようになっていた。少し酔っ払った雰囲気を楽しめるようにもなっていた。その後は母も心得たもので牛乳ではなく、決まってビールを出してくれる。以来365日、1日も欠かすことなく30年近くもビールを飲み続けることになった。その結果が哀れにも今のようなビール腹になってしまったのである。しかしビール大好き人間の私なのだ。 ビール工場にはこれまで何度か見学したことがある。アサヒ、キリン、サントリー等。目の前で造っているビールを速く飲みたい。そんな気持が抑えられない頂点に達した時、工場で出来立ての冷えた生ビールは、実に最高の味に思えた。特にサントリービール京都工場へは何度か訪問した。泡がきめ細かく、まるでクリームのようである。生はサントリーが最高かな?しかし50人程が集まった会合のアトラクションで、アサヒスーパードライと発泡酒を目隠しして当てるのである。私は案の定に間違ってしい皆から失笑されてしまった。毎日欠かさず飲んでいるビールを間違ってしまった。つまり私は味音痴?いや、そうではない。冷たいビールを一気に飲み干す豪快さが好きなのだ。 サッポロビールは関西ではあまりメジャーな銘柄ではない。東京では良く飲んだ記憶はあるが、それだけにサッポロビール園を楽しみにして訪ねた。限られた時間であったのでゆっくりビールを楽しむことは出来なかったが、大ジョキー2杯と黒ビール1杯を飲んだ。やはり本場の味だね!
撮影2004年 春
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