◆ポートピアホテルは交流の場

 我が家に5歳と2歳の二人の娘がいた時のことである。その時の妻は子育てに孤軍奮闘の毎日で、独身時代の彼女とはとても同人物とは思えない程、私には別人のようにさえ見えた。このころは外出する機会もほとんどなかった。そんな時、友人からの誘いもあって三宮で夕食を共にすることになった。食事後「神戸ポートピアホテル」に立ち寄った。中に入るとここはまるで別世界のように思えた。広々としたロビーはこれまでの神戸では味わえない、素晴らしくゴージャスな雰囲気が漂っていた。すれ違うどの人にもどこか余裕が感じ取れ、周りにいる全ての人が不思議にもお金持ちのように見えてくる。私達にとってこのような高級ホテルで宿泊・食事・ショッピングなど、とても出来るような境涯ではなかった。33歳の時であった。それ以来ここは私の憧れの場所であり、安らぎの場所にもなって行ったのであります。

 あれから20年以上の歳月が経過した。以後このホテルには結婚式・各種パーティーを始め、食事・喫茶・宿泊そして仕事での取引等、月に数回は必ずと言っていいほど足を運んでいる。私にとって今では人生の一部分を占める場所となっている。嬉しい事にこの場所で沢山の素晴らしい人との出会いに恵まれた。私の数少ない親友の一人もここで巡り会っている。人が集まるところには必ず出会いが生まれるものなのであろう。

 1981年「神戸ポートピア博覧会」の開催と共にホテルもスタートしている。1600万人の記録的な博覧会入場者は、神戸の街の魅力が相乗効果として人集めの要因であったであろう。その後、南館・国際会議場も増設し発展の勢いを感じさせてくれ、今では「神戸の顔」となっている。社長の中内力氏とは何度かお目にかかっている。共に学生時代「柔道」を経験したことから自然と話は盛り上がった。私の「宝」のような思い出になっている。そして今、ご子息の中内仁氏が社長として頑張っておられる。気さくな人柄で腰が低く、誰からも親しまれ好感を持たれている。それでいて優秀な学力・国際感覚も備えておられる。私の大好きな青年社長であり、今後間違いなく神戸の発展になくてはならない人物になって行くであろう。ゆえに「神戸空港」開港と共に、未来に無限の可能性を秘めた中内社長へ、大いなる期待と声援を贈るのは私だけではないはずだ。素晴らしい出会いに乾杯を!

撮影2004年 春