JR四谷駅のすぐ南に赤坂迎賓館の正門、そしてフェンスが目に入る。普通の屋敷であれば壁で囲い、中は一切見えないのが日本の建築様式である。にもかかわらずここは網のようなフェンスで仕切ってあるだけで中は丸見えなのだ。しかし開放感もあるし空気の流れもよく、何よりも町が美しく見えてくる。正面から奥を覗くと、ヨーロッパの雰囲気が漂う絢爛豪華な赤坂迎賓館の建物を見ることが出来る。フランスのどこかにそのまま在っても不思議ではない建物なのだ。ここは日本なのかと錯覚を覚えてしまう。がしかし、庭園には日本の代表的な松が見事に植えられている。しかも手入れよく、まるで盆栽をそのまま大きくしたようにも見える立派なものである。 この建物は明治42年東宮御所として建設され、その後は赤坂離宮となっていたが、昭和49年に「赤坂迎賓館」となり現代に至っている。 迎賓館という名前の如く、ここは主に外国からの国公賓を迎えるための、公式行事に使用される施設。したがって相手の国の文化生活様式に合わせることも、歓迎の意を伝えることになるが、相手の国も様々であり必ずしも欧米ばかりとは限らない。むしろ相手の国に尋ねればその国の文化、生活、歴史、伝統等を大いに学び、肌で感じ取りたいものである。日本ってどんな国?興味を持つのが当然である。したがってここは日本伝統の建築様式つまり和風を取り入れ、襖もあれば障子もある。更に畳もあれば布団もある。風呂はジャグジーも備えつつ、ヒノキの大きな湯船、そして日本庭園にも囲まれ‐‐‐‐等々。これらが一番似合う所が在る。それは「新宿御苑」だと思うのだが。
撮影2004年 冬
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