2003年プロ野球セリーグを制したのはわが阪神タイガース。18年ぶりの快挙である。優勝が決まったその日は関西のみならず、日本がそして世界の一部ではあるが歓喜の渦が巻き起こった。特にここ大阪ミナミの道頓堀川に架かる戎橋では、身動きが取れないくらいに大変な人の固まりとなって膨れ上がり、優勝を喜ぶ表現の一つとして、恒例の道頓堀への飛び込みダイビングが行われた。川へ飛び込む恐怖より、優勝の喜びのほうがはるかに上回っていた。思い思いの個性溢れるパーホーマンスの飛び込みは次から次へと夜遅くまで続いた。これらを見守る戎橋横の名物「グリコネオン」は、これまでの陸上競技のランナーではなく、何と縦じまのユニホームつまり阪神タイガースの選手姿に変身していたのだ。 グリコとは私たちが子供の頃には、キャラメルで有名であったように思う。遠足には必ずといっていいほどリュックサに入っていたものです。その後はアーモンドチョコレートで大ヒット。更にはカレーをはじめする食品にも、幅広い商品開発が進み大発展を遂げる。ところが食品に毒物混入無差別テロとも思えるグリコ事件が発生。江崎社長監禁など当時の社会に大きな不安を与え、いまだ解決しないまま今日に至っている。真相は? 大阪道頓堀川のグリコネオンは1935(昭和10)年に高さ33m、6色に変化するという当時としては画期的なものであった。そして多くの人に「大阪のシンボル」として親しまれることとなった。その後5回に渡って看板は取り替えられ、新しく生まれ変わっている。更には2002年に開催された「2002FIFAワールドカップ」を記念してサッカーのユニホームに着替えられるなど、社会の注目にあわせて人々の目を楽しませてくれている。ランナーの背景には今の大阪を代表する4つの建物(大阪城、海遊館、大阪ドーム、通天閣)が描かれている。この次にデザインを取り替える時には「ユニバーサルスタジオ」が入ることであろう。 撮影2004年 冬
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