◆日本最古の湯「有馬温泉」

 小学校の4年生の頃と記憶するが、学校の遠足で有馬温泉に行った。先生から水筒と砂糖を持参するようにとのこと。水筒は理解出来ても砂糖を持っていくのは何故?不思議に思っていたが、有馬には炭酸水が地下から湧いており、砂糖を混ぜるとサイダーになってしまうのです。当時子供にとってサイダーは高価なもの。それ故面白がって沢山飲んだのだが、味は少し気の抜けかかったサイダーのよう。この頃は温泉の興味は全く無し。

 「ゆっくり温泉にでも行って・・・・・」とは何かを頑張った後とか、仕事、生活から解放されて旅行へ行くときは、決まり文句のように出てくる言葉であります。ここ有馬は癒しにピッタリの温泉であり、古くは万葉集にもその名は登場する。また日本書紀にも書き記されるなど、永き伝統と繁栄を今に伝えております。いつの時代からかテレビ、マスコミで温泉ブームが大きく取り上げられ、全国各地の様々な温泉が紹介されました。温泉には沢山の効能があることは誰もが知るところで、そのブームは今も続いております。私も家のフロは嫌いでも温泉は大好きであります。ゆったりした大浴場。お湯がふんだんに溢れ出て湯煙が立ち込め、長く湯船に浸かっていると本当に身も心もリラックスであります。

 ここ有馬温泉では赤色と白色の二種類のお湯があります。赤色の湯を金泉(含鉄強塩泉でトロリとした湯触り)、白色の湯を銀泉(サラリとしたラジウム泉・炭酸泉)。これには太閣秀吉も疲れた体を癒すのにこよなく愛されたとか。有馬温泉は緑濃い六甲の山並みを背景に、多くの温泉好きの旅人の憩いの場として、全国的に名を馳せるに至っております。

 ちなみに有馬温泉が、神戸市内にあることはあまり知られていない。神戸・三宮の中心街より車で僅か30分の近さにある。電車もバスも極めて便利なところに位置している。「さあ!これから有馬へお湯にでも入りに行こうか」。

撮影2004年 冬