◆舞子ビラのロケーション

 舞子ビラの歴史は古い。明治10年の西南戦争で総監として功績のあった有栖川宮親王は同21年の夏、妃殿下と共に避暑のため現代の舞子ビラのある柏山へ登られつつ、ふと振り返って明石海峡一帯をご覧になられて「これこそ天下の絶景だ」と感嘆されすっかり気に入られる。明治27年ここに別邸を建造。その後ここには明治天皇、昭和天皇等、皇室関係者も泊まられること度々あり、迎賓館としての役割を果たしたのであります。昭和41年11月に神戸市が買収。その後、近代的な設備を備えた素晴らしいホテルに変身していったのであります。

 昭和50年1月私は東京より大阪に転勤。勿論、神戸の実家に両親家族と共に住んだのであるが、同年9月に同じ長田区に住む素敵な女性と縁があり結婚。その時に私の親友が結婚式場を探しに連れてきてもらったのが「舞子ビラ」でありました。素晴らしいロケーションと共に見事な日本庭園には強烈な印象と深い感銘を受けました。しかし自宅からの地の利という点からすれば少々不便で、結局は三宮駅周辺の「六甲荘」となりました。ここも素晴らしい庭園が印象的で、沢山の記念写真を庭で撮ったことを思い出します。人生で最も楽しい時期でもありました。

 その後、何度も結婚式、食事、会合、パーティ等で舞子ビラを訪れました。しかし来る度に庭に出ては素晴らしい景色を見るのが楽しみでした。今では明石海峡に「世界一の吊り橋」が見事にかかり、海岸線も整備され最高の見学場所と私は思っている。この土地を選定された有栖川宮親王の功績に感謝であります。

撮影2003年 秋