「今アメリカでは日本庭園が静かなブームになっているのだ」とは、私が尊敬する先生との懇談するなかで聞かされた。話しは更に続いて「アメリカに行った日本人がそれを聞いて、これまで日本にいる時はあまり意識することもなかったが、改めてアメリカ人から日本庭園の良さを認識させられた」と。このような例は我々の生活、人生のなかの身近なところに沢山あるように思う。自分の良さを再発見して、もっと自信を持って生きて行きたいものだ。 菊薫る「相楽園」を訪ねた。私がお世話になっている澤田食品の澤田会長が、菊を展示していたからだ。菊花展は秋の花園として、見る人の目を楽しませてくれる。芸術性も高く、その豪華さ美しさは「日本の花の王様」のようにさえ思える。展示会は澤田会長の圧勝という感じで、5〜6点出品されていたが、全て栄誉ある賞を獲得されていた。なかでも8畳ほどもあろうかと思える広さで展開する菊の創作花壇は、華やかで実に見事なものでありました。 「相楽園」は元神戸市長小寺健吉氏の先代小寺泰二郎氏が明治末期に完成。庭園の形式は廻遊式林泉園に加え、明治時代の欧米化の影響を受けて、広場も併設されている。庭園は池をベースに橋と飛石、大きな鯉、亀等。四季折々の樹木は、今のこの季節「もみじ」が赤く染まり一層華やかさを添えている。そして建物の風格にも荘厳さを感じ、ここはとても都会の中とは思えない静けさで心が落着く。 1975(昭和50)年の夏、この場所で在日アジア留学生の交換会を開催させて頂いた。インド料理のコーナーでは、インド美人の友人シーラ、アルナ、モナ、に加えて私の婚約者も手伝ってくれた。「サモーサ」は日本の揚げ餃子のようで、みんなで楽しく食べたのもよき思い出である。その後は新年国際交流会、PTA総会等、何回も足を運んでいる。その度に洋風庭園では味わえない、日本庭園の落着いた美しさに触れると、不思議にも心が自然に安らいでいくのを感じるのだ。 撮影2003年 秋
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