小学校1年生の遠足は須磨浦公園。2年生になれば更に遠くの明石城公園まで行く。学校給食から開放されて、母の作ってくれたお弁当は、このような楽しい遠足では特に美味しく思ったものだ。この明石城は1619年徳川家康の曾孫にあたる小笠原忠真が築城。明治維新で大半は取り壊されたが、櫓(やぐら)が二塔残っている。それを結ぶ土塀はかなり長いものだが、お城としての景観を一層美しいものとして目に映る。 小学校5年生の頃であっただろうか、明石城のお堀には沢山のザリガニが取れた。エサは何であったか覚えていないが、バケツ一杯に取れて意気揚々と家に持って帰った。元気のいいザリガニを、家の前で洗濯物を洗う木のタライに入れて遊んでいたところ、通りがかりの数人の人から分けてほしいとの事。一匹5円で売ったところ飛ぶように売れてしまった。あとで母からえらい勢いで叱られたことを今もって忘れないでいる。お堀を見るたびにあの時のザリガニは今もまだ沢山いるのであろうか。時代が変わろうが、私の心の中では絶対にいると信じている。一度機会があれば是非とも挑戦したいものだ。
明石城公園の春は、桜の名所として花見で大変な人出でとなる。そして秋になると「菊花展」が有名で、毎年周辺地域の人から楽しみにされている。まさに憩いの場となっており、私もそのたびごとに尋ねるよう心がけている。先人が残してくれた素晴らしき財産に感謝しつつ。美しき明石城よ!いつまでも!
撮影2003年 秋
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